孤剣、闇を翔ける―御庭番宰領

孤剣、闇を翔ける―御庭番宰領

高熱を発しながら御前試合に出た事が悲劇の発端となった。主君の怒りを買い、新妻と離縁し、脱藩せざるを得なくなったのである。剣を以ってしか生きられぬ無外流の達人鵜飼兵馬はたちまち窮迫し、失意と絶望の底に突き落とされた。そんな江戸の裏長屋で暮らす兵馬の前に現われたのが公儀御庭番倉地文左衛門であった。運命が激変し、非情な事件に巻き込まれ、陰謀の刻が、かくて始まった・・・。